秋葉・広島市長からのメッセージ

サン・ジネーシオ市長
マーリオ・スカニェッティ様

「ピースフェスティバル」が開催されるに当たり、メッセージをお送りいたします。

戦争の惨禍を経験された貴市の皆様が、平和な世界を築くため尽力された法律家のアルベリコ・ジェンティーリ氏の精神を受け継がれ、千羽鶴の製作やピースコンサートなどの催しを通して「ヒロシマの心」を伝える「ピースフェスティバル」を開催して下さると伺い、感激しております。この度の催しは、核兵器のない平和な世界の実現を願い活動する世界の大多数の都市や市民に大きな勇気と希望を与えるものであり、貴台を始め「侘び寂び文化協会」など関係者の皆様の取組に対し深く敬意を表します。

広島市は、現在、全世界の4,000を超える都市が加盟する平和市長会議を中心に、2020年までの核兵器廃絶を目指す「2020ビジョン」を推進しています。2020年が大切なのは、一人でも多くの被爆者と共に核兵器の廃絶される日を迎えたいからであり、また、次の世代への最低限の責任を果たしたいと考えているからです。

2020年までの核兵器廃絶を実現するために最も大切なのは、核保有国も含めた世界各国の政府が、核兵器廃絶に取り組むための政治的意志を持つことです。政治的意志は、世界的な世論が更に大きなうねりになることから生まれます。同時に2020年までという期限の重要性を認識して貰うこと、また核兵器禁止条約など新たな法的枠組づくりに向け努力し続けることも必要です。

核兵器のない世界の実現は、人類史上、特筆すべき出来事になります。本市は、2020年の核兵器廃絶実現を記念する「平和の祭典」として、2020年オリンピックを招致したいと考え、現在、具体的にどのような形で実現できるのか、多くの皆様と共に検討を進めています。

貴台には、是非とも平和市長会議への加盟を御検討いただき、核兵器廃絶とオリンピック開催という二つの夢の実現に向け、私たちと共に力を尽くし行動して下さるよう心からお願い申し上げます。

最後になりましたが、貴台の今後ますますの御健勝と御多幸を心よりお祈り申し上げます。

平成22年(2010年)8月6日
広島市長 秋 葉 忠 利

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